一般的な衛生管理

蜂場

 巣箱の設置前に、ミツバチに影響が少ないとされる消石灰を散布し、土壌消毒しましょう。消石灰以外の消毒薬は、ミツバチに害を及ぼすことがありますので、使用しないでください。また蜂蜜への混入について十分な知見の蓄積がないので、使用にあたっては十分な注意が必要です。

 蜂場へ入る際は、病原体の侵入を回避するために、巣箱から十分に離れた(ミツバチにかからない)ところで靴底の消毒を行いましょう(写真参照)。

 一般的によく使用される消毒液は、次亜塩素酸系消毒剤(アンテックビルコンなど)逆性石けん製剤(パコマなど)などです。

蜂具

 ハイブツールなどの蜂具の消毒には、グルタールアルデヒド(商品名グルターZ、グルタクリーンなど)ヨードホール液などを使用します。これらの消毒薬を購入する際には家畜衛生保健所に相談しましょう。

 希釈した消毒液に決められた時間、浸す方法で消毒する方法が一般的ですが、ミツバチに対して害をおよぼすので、消毒後は水洗を十分に行いましょう。熱湯消毒も有効ですが、腐蛆病菌に対しては効果がありません(法定伝染病・届出伝染病参照)。

 消毒薬の使用にあたっては、業者によって提供される使用上の注意に従い用法用量を必ず守ってください。必要な場合には、家畜保健衛生所に問い合わせてください。

巣箱

 ミツバチが直接接触し、蜂蜜に移行する可能性があるので、巣箱には消毒薬を使用しないで水洗します。病原菌の温床となる可能性があるプロポリスやロウは丁寧に取り除いてください。手間がかかりますが、火炎による巣箱内部の消毒・160℃に熱したパラフィンに浸潤する方法も効果的です。

写真提供: 玉川大学ミツバチ科学研究センター 中村純教授

写真提供: 玉川大学ミツバチ科学研究センター 中村純教授

巣脾

 過去に使用されていた多くの消毒法は、現在、使用出来ません。

 巣脾は使用期間と比例して病原体を保持する可能性が高まるので、巣脾に関する衛生管理は、定期的に新しいものと交換することに尽きます。交換の目安は、3年程度と言われています。