メロン・スイカ

メロン、スイカともにミツバチが比較的好む花で、花蜜を分泌し花粉も出します。露地ではミツバチを始めとした様々な昆虫が訪花します。一株の中で雄花、雌花があり、雄花が雌花よりも先行して開花します。

雌花の開花前に雄花を覚えさせておく

メロン、スイカとも、ある程度植物体が成長した段階で、株ごとに数輪の雌花を開花させ、受粉、結実させます。導入時にはハウス内の雄花が十分に開花している状態にしておき、雌花の開花前にミツバチにメロンやスイカの花を覚えさせておくことが重要です。

スイカの雄花。花粉や花蜜がたくさんありますが、雌しべは貧弱です。痕跡程度です。

スイカの雄花。花粉や花蜜がたくさんありますが、雌しべは貧弱です。痕跡程度です。

スイカの雌花。雌花は大きな雌しべがありますが、雄しべは痕跡程度です

スイカの雌花。雌花は大きな雌しべがありますが、雄しべは痕跡程度です

短い利用期間

メロンハウスでの設置例

メロンハウスでの設置例

通常、ハウス栽培では1株に1から2果を結実させるため、雌花が数輪咲いている期間が受粉期間となります。

なお、地域、作型、品種によって株当たりの着果数や着果部位も異なるので、利用期間もそれらの条件に合わせて調整する必要があります。設置する群数の目安は、10aのハウスで1群程度となります。

冬期

低温・日照不足で、ハウス内の雌花の開花時期が株ごとにばらつきやすく、結実も不安定になりますので、巣箱の設置期間は通常より長めの10〜14日程度は必要です。

春・夏・秋期

株の生育が揃いやすく、ハウス内の雌花も一斉に開花し、ミツバチによる受粉でも結実が安定することから、7〜10日程度が目安となります。

メロンの雄花で蜜を吸っているミツバチ

メロンの雄花で蜜を吸っているミツバチ

スイカの雄花に訪花したミツバチ

スイカの雄花に訪花したミツバチ

利用時期ごとの注意点

冬期

高温を好む作物のため、花粉の生成や花蜜の分泌が不十分になりやすく、結実確保のためには、以下の対策をとります。

  • 人手による受粉を並行して行う。
  • 保温用内張りのたるみや隙間をなくし、ミツバチが帰巣しやすいようにする。

春・夏・秋期

ミツバチの訪花活動は気温20〜25℃で盛んになります。ハウス内が30℃以上になると、飛ぶミツバチの数は増えますが、受粉の効率は極端に悪くなりますので、以下のような対策が必要です。

  • 換気を行って、ハウス内の温度を下げる。
  • 巣箱に日除けをし、巣箱内の温度上昇を抑える。

巣箱の設置場所

ミツバチの巣箱から(ミツバチの目線で)ハウス内を見た様子(メロン)

ミツバチの巣箱から(ミツバチの目線で)ハウス内を見た様子(メロン)

長時間の直射日光や天井からの水滴が落ちないような場所で、ミツバチが覚えやすい場所を予め選んでおき、利用期間中の巣箱の移動はしないようにします。巣箱を別のハウスに移動する場合は、巣門の向きを出来るだけ、元にあったハウスと同じ方角になるように設置してください。

ミツバチの巣箱から(ミツバチの目線で)ハウス内を見た様子(スイカ)

ミツバチの巣箱から(ミツバチの目線で)ハウス内を見た様子(スイカ)

また、地這い栽培のスイカでは低い天井でも施設内を見渡すことができますが、立ち栽培のメロンでは、低い天井と茎の先端との空間が狭くなりすぎると、ミツバチの飛翔や帰巣が難しくなるので、巣箱付近に目印を置いてください。